【家族を慌てさせない】エンディングノート「葬儀」の書き方

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エンディングノートの中で、「筆が止まりやすい」のがこの葬儀のページです。
「お葬式の種類なんてよくわからない…」と思ってしまうのは当然のこと。

でも、大丈夫です。この葬儀のページは「葬儀のやり方を完璧に決めるためのページ」ではなく、「家族の判断をサポートするためのページ」です。

この記事を参考にしながら、手元のノートを1項目ずつ、無理のない範囲で埋めていきましょう。

目次

訃報連絡先リスト

人が亡くなった直後、時間的猶予がないのが「誰に声をかけるか」です。

しかも、もともとの関係性により「声をかけるタイミング」が異なりますので、遺族が判断するのは難しいところです。

  • 危篤の段階で連絡する人
  • 葬儀に参列してほしいので、亡くなってすぐに連絡する人
  • 事後報告でよい人

氏名や連絡先とともに、「どの段階で」連絡をすべき人なのかも記載しておきましょう。

ただ、全員の住所や電話番号をノートに書き写すのは大変です。
年賀状で使っていた住所リストがあれば、それを見るように伝えてもよいでしょう。

また、スマホやパソコンの連絡帳には「ラベル」機能があります。
連絡をするタイミングごとにラベルを分けておけば、家族はそれを見て連絡できるようになります。
いざというときのために、スマホの端末ロックを解除する方法について家族が確認できる導線を作っておきましょう。

重要な項目ではありますが、連絡先を挙げて分類するのはあなた自身にとっても大変です。時間をとれるときに落ち着いて取り組めばよいですので、埋めやすい他の項目から書いてみることが、筆が止まらないコツです。

葬儀の「種類・規模」について

ノートには「家族葬」「一般葬」「直葬(火葬式)」などのチェック項目があると思います。代表的なもの3つを簡単にまとめました。

  • 一般葬: 近所の方や友人、仕事関係の方、多くの人に見送ってもらう従来のお葬式。
  • 家族葬: 家族や親しい友人だけで行う小規模なお葬式。
  • 直葬・火葬式: 通夜や告別式を行わず、火葬のみを行うシンプルな形。

こういった特徴を踏まえて葬儀の形式を選択するわけですが、その選択に至った理由、ご自身の想いを一言だけ添えておくと、家族がより安心します。

ところで、複数の葬儀社のサービスを見比べると、同じ名称でも内容が異なることがあります。ひとつ挙げると「火葬式」と「直葬」にわずかに違いがある場合がありました。希望する形式の名称だけだと、自分の希望と実際の内容が微妙に異なる可能性がありますので、「してほしいこと」と「しなくてもいいこと」を具体的に書いておいたほうが良いと私は考えます。

通夜や告別式はしなくていいです。火葬場で、家族だけでお経をあげてもらえたらうれしいです。

「どれが良いか選べない…」というときも、何も書いていないよりは「おおまかな方向性」と「お任せします」の一言があったほうが家族にとって判断の助けになります。

反対に、「〇〇は避けてほしい」と、してほしくない内容を指定するのも、すれ違う可能性を減らせるので助かります。

「残された家族の負担(お金や準備)が一番少ない方法で、みんなで話し合って決めてください」

「その時の家族の状況に合わせて、無理のない形でお任せします」

なお、家族葬は費用を抑えやすい傾向があるという理由で選ばれることがありますが、参列者が少ないぶん受け取る香典が少なく、意外と手出しの費用がかかったということも起こりえます。
また、家族の負担を減らしたいという気持ちで家族葬を選んだものの、葬儀に参列できなかった関係者が後日、個別での弔問を希望されることによって、個別対応の負担がかかったということもあります。

後日の弔問対応について家族に負担がかからないように、予め個別対応方針を示しておくなど対策は可能ですが、いずれにしてもそれぞれのメリット・デメリットをしっかり把握して決めることが大切です。

「宗教・宗派」について

宗教・宗派によって「お葬式の流れ」が変わります。特定の寺院墓地に入りたいという希望がある場合、その宗派でないといけない場合もあるので、注意が必要です。

「自分の家の宗派がわからない」ということもあるかもしれません。信仰の自由は憲法で保障されているところですので、自分で宗派を選んでもよいのですが、実際の葬儀や納骨は家の習慣・菩提寺・親族の影響を受けます。できるだけ事前に家の宗派を確認して、家族や菩提寺と相談しておくことが望ましいでしょう。

宗派の確認の方法は以下のようなものがあります。

  • 親戚(親、叔父、叔母など)に聞いてみる
  • 仏壇の中にある位牌や脇侍(わきじ・きょうじ)を確認する
  • 実家のお墓がある「お寺(菩提寺)」の名前を確認する

葬儀の形式や宗教・宗派の考え方は、その後の埋葬や供養の方法ともつながります。お墓や祭祀承継のことも含めて考えたい方は、以下の記事もご参照ください。

葬儀社や費用の準備について

すでに互助会に入っていたり、特定の葬儀社と生前契約をしている場合は、必ずその「会社名」「会員番号」「連絡先」などを書いておきましょう。せっかく入会していたのに、気づかずに葬儀を済ませてしまったら、とてももったいないです。

互助会の契約内容も様々ですので、契約内容が分かる書類のありかをノートに書き残しておきましょう。

まだ何も決めていない場合は、以下のように今の素直な気持ちを書いておくだけで大丈夫です。

「特に葬儀社の指定はありません。自宅から近いところで選んでください」

「お葬式の費用は、私の〇〇銀行の口座(または保険金)から出せる範囲で収めてもらえると助かります」

本人の死亡後は、預貯金口座がすぐに自由に使えなくなることがあります。相続開始後の預貯金については、一定の範囲で払い戻しが認められる制度もありますが、実際には金融機関ごとの手続や必要書類の確認が必要です。葬儀費用に充てることを考えている場合は、家族が分かるように口座情報や保険の情報を整理しておくとよいでしょう。

喪主や弔辞の指定について

ここに書く内容も「絶対にそうしなければならない指示」ではなく、家族への「ヒント」や「目安」で大丈夫です。いざその時の状況で、家族が臨機応変に対応することが普通だからです。

「喪主(もしゅ)」と「施主(せしゅ)」の違い


ノートによっては、この2つの言葉が並んでいることがあります。

喪主: 遺族の代表として、お葬式のプランを決めたり、参列者に挨拶をしたりします。
施主: 主に葬儀にかかる費用を負担する役割があります。

「誰がやるかは、その時の家族の話し合いに任せたい」という場合は、以下のように書いておくと、遺族が状況に合わせて柔軟に決められます。

「誰が喪主をするかは、その時の体調や仕事の状況に合わせて、家族みんなで話し合って決めてください」

「基本的には長男の〇〇にお願いしたいですが、無理をせず姉の〇〇と協力して進めてください」

喪主を誰が務めるかは、その後のお墓や供養の引継ぎにも関わってきます。「祭祀承継者」については、以下の記事もご参照ください。

弔辞(ちょうじ・挨拶)をお願いしたい人

弔辞とは、お葬式のときに「故人との思い出」を語ってもらうスピーチのことです。

葬儀の場で急に頼まれても準備が難しいため、亡くなってすぐに家族から依頼ができるよう、連絡先を書いておきましょう。親しい間柄であれば、生前に本人から依頼しておくとよいかもしれません。

「学生時代からの友人である〇〇さんに、もし可能なら思い出話をしてもらえると嬉しいです」

「もし可能なら、子どもたち(孫たち)から一言ずつ、手紙のような形で声をかけてもらえると嬉しいです」

遺影写真について

お葬式の祭壇に飾る「遺影(いえい)写真」。 葬儀の前の限られた時間で、残された家族が「どれにしよう…!」と慌てて探すもののひとつです。

アルバムやスマホのデータを何時間もひっくり返したあげく、結局「真顔の免許証の写真」を引き伸ばす…ということもあります。

あなたが「この写真を使ってね」「ここに候補があるよ」と書いておいてあげると、家族の負担はずいぶんと減ります。

「生前遺影」をバシッとスタジオで撮影して用意しておく必要はまったくありません。近年は、スマホで撮った写真やスナップ写真からでも、背景の調整や服装の補正などに対応できる場合があります。

完璧な1枚を決めるのではなく、「このへんの写真を使ってね」と家族にバトンを渡すつもりで、以下のように気楽に書いておきましょう。

「タンスの2段目の引き出しにある、〇〇の時のアルバムの写真が気に入っています」

「お気に入りの写真は特に指定していません。みんなが『一番いい笑顔だな』と思うものを自由に選んでください」

「スマホの『お気に入り』のフォルダに入っている、去年の家族旅行の写真を使ってほしいです」

「パソコンのデスクトップにある『遺影候補』というフォルダに、いくつか写真を入れています」

葬儀の準備の中で、遺影選びは唯一「あなたの笑顔」と向き合える時間です。家族があなたの笑顔をすんなり見つけられるように、宝探しのヒントを1行、ノートに書き残しておきましょう。

装束・副葬品・演出のこだわり

葬儀や納棺のとき、「自分らしいお気に入りの服を着たい」「大好きな思い出の品を一緒に棺に入れてほしい」「あの曲を流してほしい」といった希望があれば、ぜひこの欄に書いておきましょう。

葬儀の準備中、家族が「あの人らしいね」とあなたの思い出を振り返りながら、少しだけ笑顔になれる素敵なページです。

「祭壇の周りには、私が育てていた〇〇の花を飾って、BGMには〇〇のCD(またはスマホのプレイリスト『お気に入り』)を流してください」

もちろん、その場で臨機応変に決めることもありますので希望通りになるとは限りませんが、家族が選択するヒントになります。

副葬品(棺に入れるもの)のルール

火葬をする際に、棺に入れてはいけないものがあります。

副葬品として入れられるもの・入れられないものは、火葬場や葬儀社によって異なります。一般に、金属類、ガラス類、プラスチック類、危険物、燃えにくいものなどは制限されることが多いため、事前に確認しましょう。

もし「愛用のゴルフクラブを入れて」と書かれていると、家族は「ルールで入れられないのに…」と困ってしまいます。どうしてもゴルフクラブに愛着がある場合は、写真を撮って、写真を棺に入れてもらうのはどうでしょうか。

なお、写真や特定の品物については、地域の慣習や家族の考え方から控えた方がよいとされることもあります。

「昔ながらの白い旅装束ではなく、お気に入りだった〇〇のスーツ(または着物)を着せてほしいです(保管場所:タンスの1段目)」

「趣味で撮りためた写真や、みんなからもらった手紙(紙製品)を一緒に入れてもらえると嬉しいです」

その他

戒名(法名・法号): 希望の有無、生前戒名の有無(ある場合はその名称と授かった寺院)

香典・供花・供物: 受け取る、辞退する、寄付する、家族に任せる

祭壇・演出: 祭壇の種類(白木、生花、デザイン)、好きな花の種類や色、メッセージ。

メモリアルコーナー: 展示してほしいもの(生前の写真、制服、趣味の道具、作品など)

まとめ

葬儀のページを埋めるコツは、「こだわりがなくても少しでも希望を書いておく」です。おおまかな方向性が書いてあれば、あとは「お任せします」でもよいでしょう。丸投げしているわけではなく、遺された家族にとって「自分たちの判断で進めていいんだ」という、あなたからの優しい許可証になります。

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この記事を書いた人

北九州市・小倉南区を中心に、理学療法士の経験を持つ行政書士として、シニア世代とそのご家族が笑顔で未来へ進むための『健康終活』をサポートしています。 エンディングノートの書き方や遺言書の準備で「我が家の場合はどうすればいい?」と迷われたら、まずは近所の相談相手として、お気軽にお声がけください。

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