【デジタル遺品で迷わせない】エンディングノートの「携帯電話」「スマホ」の書き方

目次

なぜ携帯電話について書くのか

エンディングノートを作成する際、デジタル遺産の入り口として特に整理しておきたいのが「携帯電話(スマートフォン)」に関する情報です。

現代の携帯電話は単なる連絡手段にとどまらず、銀行口座や各種サブスクリプションなど、多くのサービスと結び付いています。万一の際には、どのようなサービスを利用していたのかを把握したり、各サービスが案内する必要な手続きを進めたりするためにも、携帯電話へアクセスできることが大きな助けになります。。

携帯電話の解約のタイミングに注意する

本人の死亡や認知症の進行により携帯電話を利用しなくなった際、月々の使用料金の発生を抑えるために、家族はすぐに解約手続きをしたくなる場合がありますが、ここでは少し冷静に立ち止まってもらう必要があります。

最近の携帯電話は、様々な周辺サービスと深く結びついています。利用状況の確認や各種手続きの過程で、登録されている電話番号宛てにSMS認証コードが送信されることがあります。携帯電話の回線を先に解約してしまうと、こうした認証が受けられなくなり、利用していたサービスの確認や、その後の必要な手続きに支障が生じる場合があります。

携帯電話の解約は、様々な周辺サービスの整理が一段落してから解約を検討することが、一つの目安になります。このタイミングの重要性を、エンディングノートを通じて家族に最初に伝わるようにしておくと安心です。

最低限書いておきたい項目

家族が携帯電話の存在を把握し、契約解除や中身の確認を進めるために、最低限以下の項目を分かる範囲で記載しておくと安心です。

端末パスワード(画面ロック解除の数字やパターン)

携帯電話の回線自体を解約するだけであれば、携帯電話端末の解除パスワードは必要とされません。パスワードが分からなくても、各通信会社が案内する必要書類を揃えることで手続きを進めることができます。

それでも、端末パスワードを家族に共有しておくのはとても役に立つことがあります。

携帯電話には様々なネットサービスの情報が保存されています。端末の解除パスワードを知ることで、利用していたサービスや契約の状況を把握することができます。また、確認や各種手続きの過程では、登録されたメールアドレス宛への確認メールや、電話番号宛へのSMS認証コードが利用されることがあります。画面ロックを解除できれば、こうした通知や端末内の情報を確認し、その後の必要な手続きを進めるための手がかりになります。

ただし、セキュリティの観点から、すべての人がパスワードをそのままノートに書くことはおすすめしません。エンディングノートは生前に第三者の目に触れる可能性がゼロではないためです。スマートフォンのロック解除パスワードのような重要ものは、「誰に」、「どの情報を」、「どのタイミングで」、「どこまで任せるのか」慎重に検討しましょう。

契約会社名と電話番号、名義人

解約手続きの問い合わせ先を特定するために契約会社の情報は大事です 。1台で2つの契約をしている場合は、それぞれの会社名を明記します 。

もし契約している通信会社名が分からないと、家族は通帳やクレジットカードの明細を1枚ずつ確認して引き落とし元を探すことから始めなければならず、大変な負担を抱えることになります。『どこの会社か』だけでも書いておくことが、解約をスムーズに進める助けになります。

また、仕事とプライベートで番号を使い分けたり、通信障害への対策として、1台のスマホで2つの通信会社と契約(デュアルSIM運用)している場合もあります。家族が解約手続きを行う際、片方の契約の存在に気づかないまま放置してしまうリスクが考えられます。もし2つの回線をご利用されている場合は、それぞれの契約会社や電話番号を分けて書き残しておくことが大切です 。

死後のデータの扱いに関する希望

「中身は見ずに初期化して処分してほしい」「写真だけは家族で共有してほしい」といった本人の意向は、家族がデータ処理に迷う際の大切な判断材料になることがあります 。

画面ロックが解除できたら、スマホ内にある家族写真のデータだけパソコン等にバックアップしてください。その他のプライベートなアプリやデータは見ずに、そのまま初期化をお願いします。

端末アカウントの基本情報

スマートフォンは通常、何らかのアカウントにログインした状態で利用されています(iPhoneならApple Account、AndroidならGoogleアカウント)。

これらの情報は、本人の死後に写真などの思い出データの移行やアカウントの削除手続きを行うときに役立ちます。

なお、Appleは故人のご家族が故人のApple Accountへアクセスできるように申請をする制度があります。また、Googleはアカウント無効化管理ツールがあり、生前にユーザーが設定をします。ユーザーが一定の期間自分のアカウントを利用していない状態が続いた場合に、そのアカウントのデータを一部共有したりすることができます。

また、認知症の進行や事故、スマートフォンの紛失など、本人が自ら端末を管理できなくなる場面も想定できます。そのような事態になったときに家族が必要な管理・保護の対応を行えるためにも、端末アカウントはノートに記載しておきましょう。

書いてあると、さらに家族の助けになる情報

基本の項目に加えて、さらに書き残せるゆとりがある場合は、以下のような情報を備考欄やフリースペースに添えておくと、家族の負担を減らす参考になる場合があります。

SIMの種類(物理SIMかeSIMか)

以前は端末に「SIMカード(物理SIM)」が入っているのが普通でしたが、最近はカードを入れない「eSIM」という契約方法も増えています。これをメモしておくと、家族がスマホの契約状況を整理するのに役立ちます。

一部の事業者では、解約後にSIMカードを返却しないと数千円の損害金(ペナルティ)が発生する規約になっている場合があるため、カードの返却要否を調べる上でも役立ちます。

また、端末の画面ロックが解除できずSMSを確認できない場合でも、物理SIMであれば、SIMカードを対応する別の端末へ差し替えることで、SMSを受信できる可能性があります。こうした情報は、利用していたサービスの確認や、その後に必要となる手続きを進める際の手がかりになる場合があります。逆に「eSIM」の場合はSIMカードを差し替えてSMSを確認する方法は利用できません。そのため、より端末パスワードの導線が重要になります。

利用料金の支払い方法

どのクレジットカードや銀行口座から引き落とされているかをメモしておくと、解約後の口座整理がスムーズになる助けになります 。

まとめ

完璧でなくてよいので、まずは画面ロックの手がかりから

エンディングノートの携帯電話のページは、デジタル遺産という見えない財産から家族を守るための、大切な案内板としての役割を持っています。

すべてを完璧に書き残そうとする必要はありません。まずは「画面ロックを解除するための手がかり」と「どこの通信会社と契約しているか」という最低限の情報が分かるだけでも、家族にとっては大きな助けになります。

詳細な解約の手続きや最新の各社ルール、個別の契約状況については、それぞれの会社によって異なります。実際の対応の際には、最新の情報を確認の上、必要に応じて各通信会社のサポート窓口や専門家へ確認を行うよう、家族に伝えておくとより安心です。

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この記事を書いた人

北九州市・小倉南区を中心に、理学療法士の経験を持つ行政書士として、シニア世代とそのご家族が笑顔で未来へ進むための『健康終活』をサポートしています。 エンディングノートの書き方や遺言書の準備で「我が家の場合はどうすればいい?」と迷われたら、まずは近所の相談相手として、お気軽にお声がけください。

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