エンディングノートにパスワードは書くべき?残す情報と注意点を解説

エンディングノートにはネットサービスや携帯電話のパスワードを書く欄が設けてあることがあります。もしものときにパスワードを入力して、サービスの解約などを行ってもらうという目的です。確かに、家族が困らないようにするという意味では、一見すると合理的な考え方です。

しかし、パスワードを書き残すことは、便利そうに見える一方で、財産の不正利用やプライバシー侵害につながるリスクがあります。また、本人以外の利用を認めていないサービスでは、家族がパスワードを使ってログインすることが利用規約に違反する可能性もあります。

では、エンディングノートにパスワードを書き残す必要は、本当にあるのでしょうか。

この記事を読むと分かること【結論】
  • スマートフォンの画面ロック解除コードは、慎重に慎重に保管・共有することを検討する
  • 銀行や証券口座のログイン情報は、エンディングノートに記載しない
  • その他のサービスのパスワードも、家族のためという理由だけで一律に書き残す必要はない
  • 認知症などへの備えは、パスワードだけでなく、支援する仕組みを考える
目次

死亡後の手続きに、パスワードが必須とは限らない

エンディングノートにパスワードを書こうと考える理由の多くは、「家族が解約できなくなる」という心配ではないでしょうか。

ネット銀行、SNS、サブスクリプション、ネット通販など、最近ではほとんどの契約がオンラインになっています。だからこそ、「パスワードを書いておいた方がいい」という話になりがちです。私が見たエンディングノートの中には、「パスワードがわからないと何もできない」と書かれたものもありました。

しかし、本当に書かないといけないのでしょうか。実際にいくつかサービスの案内を調べてみました。

Amazon

Amazonアカウントにご登録のEメールアドレスにアクセスできる場合は、サインインしてお手続きを進めることができます。アカウントにアクセスできない場合は、故人に代わってお手続きを行う権限があることを確認させていただく必要があります。次の書類のご提出をお願いいたします。
<引用>https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=TzcJJiVFnIi3pG2yDA

LINE

LINEアカウントは、そのアカウントを作成されたご本人に限りご利用いただけるものです。そのため、ご遺族であっても故人のアカウントを引き継ぐことはできません。亡くなったご家族のアカウントの削除をご希望される場合は、お問合せフォームよりお問合せください。
<引用>https://guide.line.me/ja/safety/account

Instagram

故人の近親者であることを証明できる方に限り、故人のInstagramプロフィールの削除をリクエストできます。削除リクエストを送信する際には、故人の近親者であることを証明できる以下のような書類が必要です。
<引用>https://www.facebook.com/help/instagram/264154560391256?locale=ja_JP

それぞれのサービスで書類の提出などが求められますが、今回確認した案内には、故人のアカウントの削除申請にパスワードが必要であるとは記載されていませんでした。つまり、少なくとも今回調べたサービスでは、パスワードを使ってログインする方法以外にも、死亡後の手続きを進めるための窓口が用意されています。

今回調べたサービスの案内からは、家族が手続きを進めるために、必ずしも故人のパスワードが必要とは限らないことが分かります。パスワードを書き残すと、不正利用や情報漏えいのリスクが生じます。そのため、家族が困らないようにという理由だけで、すべてのサービスのパスワードを書き残す必要はないと考えます。

まずは利用しているサービス名や契約内容をエンディングノートに記載することが大事で、死亡後の手続きについては各サービスの公式案内を確認します。サービス会社ごとの解約方法を調べて、パスワードを遺す必要がある場合は、その必要性とリスクを確認したうえで、保管方法を検討するとよいでしょう。

銀行や証券口座のパスワードは、エンディングノートに書かない

銀行や証券口座などのパスワードはどうでしょうか。

死亡後の相続手続きは、金融機関が定める正規の手順に沿って進めます。そのため、遺族が故人の口座にログインする目的で、パスワードをエンディングノートに記載する必要はありません。

また、銀行や証券口座のログイン情報は、財産の管理や取引に直結する重要な情報です。これをエンディングノートに書くなどして第三者に知られた場合、不正な取引や財産をめぐるトラブルにつながるおそれがあります。

こうしたリスクを考えると、銀行や証券口座のパスワードはエンディングノートに記載しないことをお勧めします。

スマートフォンやパソコンの画面ロック解除コードは慎重に残す価値がある

一方で、スマートフォンやパソコンといった端末の画面ロック解除コードは、サービスのログインパスワードとは少し性質が異なると考えます。

端末には、写真や連絡先、利用しているサービスの手がかりなど、家族が必要な手続きを進めるための情報が保存されていることがあります。

画面ロック解除コードが分からない場合、専門業者に依頼しても、必ず解除できるとは限りません。端末の種類や状態によっては、データを取り出せない場合もあります。

そのため、画面ロック解除コードについては、家族が必要な情報を確認できるように、残しておくことを検討する価値があります。

ただし、スマートフォンには、SMSやメールを通じて各種サービスの認証コードが届くことがあります。端末のロックを解除できると、ほかのサービスのアカウントにアクセスする手がかりになる場合もあります。いわば、スマートフォンは多くのサービスにつながる「鍵束」のような存在です。

だからこそ、誰が確認できるようにするか、どこに保管するかは慎重に考える必要があります。

認知症になった場合の備えは、支援する仕組みを考える

では、認知症など、本人は生存しているものの判断能力が低下した状態はどうでしょうか。パスワードが必要でしょうか。

今回調べた範囲では、認知症などで本人の判断能力が低下した場合に、各サービスの契約を家族がどのように解約できるかについて、具体的に説明した公式案内は確認できませんでした。

ですが、認知症などで本人が契約内容を理解して手続きを行うことが難しくなった場合、家族が本人のパスワードを知っているだけで、自由に契約を解約できるとは限りません。成年後見制度などの利用を検討する場合もありますが、必要な対応は本人の状況や契約内容によって異なります。パスワードを書き残すことだけでなく、判断能力が低下したときに誰がどのように支援するかを、元気なうちに考えておくことが大切です。

まとめ

エンディングノートへのパスワードの記載について、私の考えは以下のとおりです。

  • スマホやパソコンの画面ロック解除コード:家族が必要な情報を確認できるよう、保管・共有する方法を慎重に検討する。
  • 銀行や証券口座のログイン情報: 財産の不正利用などのリスクを考え、エンディングノートには記載しない。
  • その他のサービスのパスワード: 家族のためという理由だけで一律に書き残す必要はない。利用しているサービス名や契約内容を記載し、死亡後の手続きは各サービスの公式案内に沿って進めてもらう。
  • 認知症などへの対策: 判断能力が低下したときに誰がどのように支援するか、元気なうちに考えておく。

スマホやパソコンの画面ロック解除コードをどう伝えるかについて、すべての方に当てはまる正解はありません。その方の状況や、情報を受け取る方との関係によっても適切な方法は変わります。

画面ロック解除コードの伝え方に迷うことがありましたら、お気軽に当事務所までご相談ください(初回60分無料)。お話を伺いながら、よりよい方法を一緒に考えましょう。

※出張対応や相談業務中のため、お電話に出られないことがございます。留守番電話にお名前とご用件を残していただけましたら、必ず折り返しお電話いたします。

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※出張対応や相談業務中のため、お電話に出られないことがございます。留守番電話にお名前とご用件を残していただけましたら、必ず折り返しお電話いたします。

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この記事を書いた人

北九州市・小倉南区を中心に、理学療法士の経験を持つ行政書士として、シニア世代とそのご家族が笑顔で未来へ進むための『健康終活』をサポートしています。 エンディングノートの書き方や遺言書の準備で「我が家の場合はどうすればいい?」と迷われたら、まずは近所の相談相手として、お気軽にお声がけください。

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