【緊急時に家族の負担を減らす】エンディングノートの「連絡先」の書き方

目次

なぜ連絡先について書くのか

エンディングノートの「連絡先」は、単なる住所録や年賀状リストではありません。急な入院や判断能力の低下、あるいは死亡といった万が一の際に、ご家族が「誰に・いつ・どのような優先順位で連絡すべきか」を判断するための実務メモです。

万が一の際の連絡、特に危篤や葬儀に関する通知は時間との戦いです。連絡の遅れや漏れが生じた場合、最期の面会に間に合わなかったり、参列すべき方へ知らせが届かなかったりということが生じます。後からやり直すことができず、大きな後悔やその後の人間関係への支障につながることがあります。

あらかじめ連絡先と連絡のタイミングを整理しておくことは、不要な混乱を防ぎ、短期間で多くの対応を迫られるご家族の負担や精神的リスクを和らげる大きな手がかりとなります。

連絡先について書くときのポイント

全員を網羅しようとしない

親族や知人をすべてノートに書き写す必要はありません。連絡先の情報を完璧に網羅しようとすると負担が大きくなり、エンディングノート作成自体が中断してしまう原因になることがあります。

まずは「緊急時に直ちに連絡が必要な人」や「死亡時に通知してほしい人」など、優先度の高い相手に絞って記載することが大切です。

連絡すべき「タイミング」と「優先順位」を添える

氏名や電話番号だけでなく、「どの事態で連絡してほしいか」を書き添えることが大切なポイントです。

たとえば「入院時」「判断能力低下時」「死亡時」「葬儀後」といった区分が分かるだけでも、ご家族は連絡の可否や順序に迷わずに対応しやすくなります。

グループの代表者から拡散してもらう方法も検討する

葬儀を近親者のみで行い、事後報告として知人へ訃報を伝える場合は、グループの代表者1名へ連絡し、そこから全体へ共有してもらう流れを考えておくとご家族の負担が大きく減ります。

具体的には、あらかじめ作成しておいた訃報メッセージを、ご家族から代表者へSMS(ショートメッセージ)等で送信し、そのメッセージをグループLINE等へ転送・共有してもらうようお願いする手順をノートに書き残しておきます。

書いておきたい連絡先

記載する基本項目は、連絡するタイミング、氏名、続柄、電話番号、必要に応じた特記事項です。

住所については、訃報を知らせるハガキを送る可能性がある相手には、あらかじめ記載しておくと安心です。例えば、葬儀への参列をお願いしたかったものの連絡がつかず、葬儀後に訃報を知らせる場合なども考えられます。

すべての人の住所を記載する必要はありませんが、できるだけ整理しておくことで、もしものときにご家族が住所を調べる手間を減らせます。

緊急時に最優先で連絡してほしい人や組織

急な入院や危篤の際にまず最初に連絡をしてほしい方を記載します。病院や関係機関からの連絡に対して優先的に対応していただく方などがこれに該当します。

現在、仕事や生活で関わっている人・組織

仕事先など、緊急時に報告をしないと支障が出る可能性のある相手です。

かかりつけの医療機関、担当のケアマネジャー、利用している介護サービス事業所などもこれに該当します。体調の変化や判断能力の低下が生じた際、これまでの経過やケアプランをご家族が速やかに確認する助けになります。

現在契約・関与している専門家(士業・事業者等)

成年後見人、任意後見受任者、遺言執行者、死後事務受任者、あるいは依頼している行政書士や弁護士などの連絡先を記載します。

本人の権利擁護や法的な手続きが必要になった際、ご家族が直接専門家に相談・確認できるよう手続の窓口を明確にするためです。

葬儀に参列してほしい人

死亡から葬儀までは限られた時間しかありません。ご家族の迷いや手配の手間を減らすために、あらかじめ参列を希望する相手を整理しておきます。(※家族葬や直葬を希望する場合は、無理に知人の連絡先を記載する必要はありません)

葬儀後に事後報告をしてほしい人

葬儀への参列は求めないものの、逝去の事実を伝えたい相手です。参列をお願いする人と明確に区分することで、連絡を行うご家族の手間や時間を分散し、負担を軽減できます。

書いてあると助けになる情報

詳細な住所録やスマホアドレス帳の保管場所

連絡先が多い場合は、連絡先をノートに書く代わりに、「詳細な住所録は書斎の引き出しにある」「スマホのアドレス帳にまとめてある」といった情報の所在をメモしておくことも有効です。

ただし、整理されていない大量の連絡先の情報があるだけでは、ご家族がどのタイミングで誰に連絡をすべきか分かりません。必要なタイミングで必要な情報にアクセスできるように、情報の整理は必要です。

なお、Googleの連絡先アプリなどにはラベル(タグ)機能があります。「入院時に連絡」「死亡時に連絡」などのタグを作成して該当する人を登録しておくと、家族が必要な情報にアクセスしやすくなります。

ただし、本人のスマホやパソコンへのアクセスができないと、せっかく整理した連絡先にはたどり着けません。必要な人が情報を確認できるよう、端末の保管場所やパスワードの伝達方法などもあわせて考えておきましょう。

記載例

【優先度:第1位】
氏名:小倉 太郎(続柄:長男)
住所:〒800-XXXX 福岡県北九州市小倉南区XXXX
連絡先:090-XXXX-XXXX
連絡タイミング:入院時、危篤時、死亡時

【優先度:第2位】
氏名:小倉 次郎(続柄:二男)
住所:〒800-XXXX 福岡県北九州市小倉北区XXXX
連絡先:090-XXXX-XXXX
連絡タイミング:入院時、危篤時、死亡時

氏名:八幡 西太郎(続柄:友人)
住所:〒806-XXXX 福岡県北九州市八幡西区XXXX
連絡先:090-XXXX-XXXX
連絡タイミング:死亡時
備考:葬儀に呼んでください

氏名:八幡 東次郎(続柄:大学の〇〇サークルの友人)
住所:〒805-XXXX 福岡県北九州市八幡東区XXXX
連絡先:090-XXXX-XXXX
連絡タイミング:葬儀後
備考:スマホ内(メモ帳)に準備した訃報文面をSMSで送信し、サークルメンバーへの共有を依頼してください。

氏名:小倉南健康終活行政書士事務所 松浦優太
住所:〒802-0974 福岡県北九州市小倉南区徳力7-6-3
連絡先:080-6118-9806
連絡タイミング:入院時、判断能力低下時、死亡時
備考:死後事務委任契約を結び、遺言執行者にも指名しています。

まとめ

エンディングノートの連絡先欄は、単なるアドレス帳ではなく、万が一の際にご家族が優先順位を持って動くための「実務メモ」です。

最初から完璧を目指して全員の連絡先を書き込もうとせず、まずは緊急時に必要な人物や機関に絞って手がかりを残しておくことが大切です。

万が一は死亡だけではありません。入院時、判断能力低下時、死亡時など、タイミングを分けて整理しておくことが、連絡をしてくれる人の負担軽減につながります。

どういった方法で情報を遺すとよいかは、これが万人にベストというものはありません。ご本人の状況や連絡をしてくれる方により最適な方法は異なりますので、エンディングノートの記載に迷われた際はどうぞ当事務所にご相談ください(初回60分無料)。

※出張対応や相談業務中のため、お電話に出られないことがございます。留守番電話にお名前とご用件を残していただけましたら、必ず折り返しお電話いたします。

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この記事を書いた人

北九州市・小倉南区を中心に、理学療法士の経験を持つ行政書士として、シニア世代とそのご家族が笑顔で未来へ進むための『健康終活』をサポートしています。 エンディングノートの書き方や遺言書の準備で「我が家の場合はどうすればいい?」と迷われたら、まずは近所の相談相手として、お気軽にお声がけください。

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