【家族を迷わせない】エンディングノートの「パソコン・タブレット」の書き方

パソコンやタブレットには、写真などの思い出だけでなく、各種サービスの利用情報や契約に関する情報が保存されています。

本人が何も情報を残さないままでいると、家族は「どこに端末があるのか」「個人用なのか仕事用なのか」「どのように扱えばよいのか」が分からず、対応に迷ってしまうことがあります。

特に、会社から貸与されている端末を私物と思い込んでしまうと、勤務先への返却が遅れてしまう可能性もあります。

そのため、「どの端末がどこにあり、どのように扱ってほしいか」という最低限の手がかりを残しておくことは、家族にとって大きな助けになります。

なお、端末のパスワードや各サービスのパスワードについては、防犯やプライバシーの観点から慎重な取り扱いが必要です。

本記事では、「何を書き残すと家族の助けになるか」という視点で、必要な情報と慎重に扱うべき情報を整理していきます。

この記事を読むと分かること
  • エンディングノートにパソコンやタブレットについて書くべき内容
  • デジタル遺品整理で家族に残しておきたい情報
  • 写真・仕事データなどの取り扱い希望の書き方
  • パソコンのパスワードをエンディングノートに残す際の注意点
目次

パソコン・タブレットについて書くときのポイント

ロック解除パスワードは慎重に扱う

パソコンやタブレットは、メールを受信できる状態や、各種サービスへログインした状態になっていることが少なくありません。また、パスワード再発行時の認証コードを受信できる場合があります。つまり、タブレットやパソコンのロックを解除することができると、様々なサービスにアクセスできる可能性があります。

もしものときに家族の負担を減らしたいという思いから、端末や各種サービスのパスワードをそのままエンディングノートへ書きたくなるのも分かりますが、いったん落ち着いて考える必要があります。

エンディングノートの保管方法も含め、本当にそのパスワードをノートへ書いてよいのか、一度立ち止まって考えてみましょう。

また、その端末からメールやSMSを受信できる場合は、各種サービスのパスワード再設定まで行えてしまうことがあります。端末のロック解除方法を残すかどうかは、その端末でどこまで操作できるのかも踏まえて慎重に判断しましょう。

完璧なスペック台帳を目指さない

メーカー名や機種名、画面サイズなどの詳細なスペックまで書き出す必要はありません。

家族にとってまず必要なのは、

  • どのような端末があるのか
  • 誰のものなのか
  • どう扱ってほしいのか

という情報です。

細かな仕様よりも、家族が迷わず行動できる情報を優先して残しましょう。

是非とも書いておきたい項目

家族が状況を確認し、その後の対応を考えるために、優先して残しておきたい情報です。

端末の種類と保管場所・特徴

「書斎のノートパソコン」

「黒いカバーのタブレット」

など、端末の存在と保管場所、特定できる特徴を書いておくと確認しやすくなります。

特定さえできれば十分ですので、メーカーや型番までは必須ではありません。もし似たような端末が複数あり、特定のために必要であれば、メーカー名や型番も記載するとよいでしょう。

所有者

会社から貸与されている端末、知人から借りているタブレット、レンタル品などであれば、それぞれの所有者に返却しなければなりません。

会社貸与の端末を家族が初期化してしまうと、勤務先とのトラブルにつながる可能性もあります。

家族が誤って処分したり初期化したりしないためにも、所有者を書いておくことは大切です。

保存データや端末本体の希望

例えば、

・写真は保存してほしい

・仕事のデータは削除しないでほしい

・本体は初期化して処分してほしい

など、自分の希望を書いておくと家族も判断しやすくなります。

なお、「初期化」の場合、データが復元できる状態で端末に残っている場合がありあます。個人情報が多く保存されている場合は、初期化よりも確実にデータを消せる「データ消去サービス」などの利用も検討すると安心です。

記載例

【保存してほしいデータ】
「ピクチャ」「ビデオ」には思い出のデータが入っているので、削除しないでください。

【削除してほしいデータ】
「ドキュメント」というフォルダのデータは何も見ずに削除してください。

【端末の取り扱い】
不要なデータを削除したら、家族で使ってくれてかまいません。

端末アカウント(登録メールアドレス)の基本情報

タブレットは通常、何らかのアカウントにログインした状態で利用されています(iPadならApple Account、AndroidタブレットならGoogleアカウント)。

これらの情報は、本人の死後に写真などの思い出データの移行やアカウントの削除手続きを行うときに役立ちます。

AppleやGoogleでは、それぞれ一定の条件のもとでデータの引継ぎに関する仕組みが用意されています。ただし、制度の内容や利用条件は異なるため、詳しくは各社の案内をご確認ください。

外部メモリ

パソコン本体でなく、外部メモリ(外付けHDD・SSD・USBメモリ・SDカード等)にデータを保存している場合もあると思います。それらのデータ、本体の取り扱いについても希望を書いておきましょう。

なお、iCloudやGoogleドライブ、Dropboxなどのクラウドサービスにデータを保存している場合、それらのアカウントの情報は、エンディングノートの中でも「契約しているサービス」のページのほうが記載内容や事務処理が近いので、そちらの記載をおすすめします。

書いてあると助けになる情報

余裕があれば、次のような情報も役立ちます。

データ整理を相談できる相手

家族だけでは難しい場合に備え、

・信頼できる知人

・パソコンに詳しい家族

・専門業者(パソコンの購入時にサポート契約している場合あり。契約内容によっては家族がサポートを受けられる可能性あり。)

などを書いておくと安心です。


記載例

機器の種類:ミニデスクトップパソコン
保管場所・特徴:リビングの机の下
所有者:本人
端末アカウント:xxxx@xxx.xx
データや端末本体の希望:「ピクチャ」フォルダにある写真は保存してください。その他のデータは削除してください。削除後は、家族が使ってもいいです。

機器の種類:ノートパソコン
保管場所・特徴:書斎の机の上
所有者:会社
端末アカウント:xxxx@xxx.xx
データや端末本体の希望:そのまま会社に返却してください。

機器の種類:iPad
保管場所・特徴:黒のカバー
所有者:本人
端末アカウント:xxxx@xxx.xx
データや端末本体の希望:写真は保存してください。写真だけ取り出したら、端末は初期化して、その後は家族が使ってもいいです。

機器の種類:外付けHDD(ハードディスクドライブ)
保管場所・特徴:リビングのパソコンの隣にあります
所有者:本人
データや端末本体の希望:写真は保存してください。それ以外のデータは削除して、パソコンにつないだままHDDは家族が使ってもいいです。

まとめ

パソコンやタブレットについて書く目的は、機種やスペックを細かく記録することではありません。

家族が

  • どのような端末があるのか
  • 誰のものなのか
  • どう扱ってほしいのか

を理解できることが何より大切です。
完璧に書こうとする必要はありません。まずは家族が迷わないための「手がかり」を残すことから始めてみてください。
エンディングノートは、すべての情報を書き残すためのものではなく、家族が必要な情報へたどり着くための案内役として考えると、無理なく整理しやすくなります。

パスワードは「便利さ」と「安全性」のバランスが大切

また、パスワードは便利さだけでなく、生前の財産やプライバシーにも関わる情報です。

「全部書く」「全部書かない」という二択ではなく、それぞれの情報の性質に応じて、誰に・何を・いつ・どのようにして伝えるのかを考えながら整理することをお勧めします。

家族が困らないことと、ご自身の財産やプライバシーを守ること。その両方を大切にしながら整理していきましょう。

デジタル情報の整理は、エンディングノートの中でも悩みやすい項目です。

「どこまで書けばいいか分からない」
「家族が困らないようにしたい」
「安全性とのバランスが難しい」

という方は、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

北九州市・小倉南区を中心に、理学療法士の経験を持つ行政書士として、シニア世代とそのご家族が笑顔で未来へ進むための『健康終活』をサポートしています。 エンディングノートの書き方や遺言書の準備で「我が家の場合はどうすればいい?」と迷われたら、まずは近所の相談相手として、お気軽にお声がけください。

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