エンディングノートとは?書くメリットや書き方を行政書士×理学療法士が解説

「エンディングノート」という言葉を聞いたことはあるけれど、

・何を書くものなの?
・遺言書とは何が違うの?
・まだ元気なのに書く必要はあるの?

そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

エンディングノートは、万が一のときにご家族が困らないように必要な情報を整理したり、ご自身のこれからの人生を見つめ直したりするための「人生の整理ノート」です。

実際に書き始めてみると、

「銀行口座はどこを書けばいい?」
「パスワードは書いても大丈夫?」
「葬儀やお墓はどう書けばいい?」

など、一つひとつの項目で迷うことも少なくありません。

この記事では、エンディングノートの役割や書くメリット、記載内容、書き始めるタイミングについて分かりやすく解説します。

また、それぞれの項目の詳しい書き方については関連記事もあわせてご紹介しています。

この記事を読むと分かること
  • エンディングノートとは何か
  • どんなことを書くのか
  • 遺言書との違い
  • エンディングノートを書くメリット
  • 元気なうちから始めた方がよい理由
  • 各項目の詳しい書き方が分かる関連記事
目次

エンディングノートとは?

エンディングノートとは、人生の終末や、ご自身に万が一のことがあったときに備えて、必要な情報やご自身の希望を書き残しておくノートです。

「終活ノート」や、自治体によっては「マイライフノート」と呼ばれることもあります。

法律上の効力を持つ書類ではありませんが、ご家族が困らないように情報を整理したり、ご自身の希望を伝えたりするための大切な記録になります。

私はエンディングノートを、

「残されたご家族を支える実務メモ」

という側面と、

「これからの人生をより良く生きるための人生設計ノート」

という二つの役割があると考えています。

エンディングノートには何を書く?

一般的なエンディングノートには、次のような内容を記載します。

  • 基本情報:氏名など
  • 医療・介護の希望
  • 財産
  • 契約しているサービス
  • 葬儀・埋葬の希望
  • ペット
  • もしもの時の連絡先
  • 人生の記録
  • 大切な人へのメッセージ

エンディングノートと遺言書の違い

エンディングノートと遺言書は混同されがちですが、役割は大きく異なります。

遺言書は、「財産を誰に相続させるか」について、法律上の効力もつ意思表示をする書類です。正しく遺言書を遺すことで、財産の相続について、自分の意思を反映させることができます。

一方、エンディングノートは、「自身の希望や生活に関する情報」をまとめたものです。しかし、それらの記載に法律上の効力はありません

両者は目的が違い、お互いを補い合う存在です。役割を分けて活用することが大切です。

エンディングノート遺言書
できること
メリット
●自身の希望や生活に関する情報を遺せる
●形式が定められていないので自由に書ける
財産の相続についての意思表示
法的効力をもつ
できないこと
デメリット
法的効力はない●法的に定められた形式どおりに書かないと、効力が生じない場合がある
●財産の相続以外のことについて書いても、それについては法的効力がない。
(例)医療・介護、葬儀・埋葬・供養の希望

なお、埋葬や供養についての希望について法的効力のあるものを遺したい場合は、死後事務委任契約というものもあります。

関連記事

▶ 遺言書とは?(掲載予定)
▶死後事務委任契約とは?(掲載予定)

エンディングノートを書くメリット

エンディングノートを書くメリットは、大きく二つあります。

ご家族の負担を軽減できる

もしものとき、ご家族は非常に多くの手続きを行います。

亡くなられてすぐに葬儀や埋葬の手配をし、必要な人に連絡をとらなければなりません。

葬儀が終わった後も、銀行、保険会社、役所など様々な手続きが待っています。これらの必要な手続きがどれだけ存在するのか、一から探さなくてはならない状況だと、本当にご家族が大変な思いをされます。

そんなときに、「どこの銀行を使っていたか」「どんな契約をしていたか」という情報が少しでも書いてあると、ご家族の負担は大きく軽減されます。

エンディングノートを遺しておくことは、大切なご家族への最後の優しさ、恩返しになります。

生きている『今とこれから』の生活の安心につながる

エンディングノートを書くためには、

  • 通帳を探す
  • 保険証券を確認する
  • 契約を見直す
  • 財産を一覧化する

など、自分の生活を見直すことになります。

不要な契約を解約したり、資産を整理したりするきっかけにもなります。

一見すると、これらは「人生の終わりに向けた準備」に見えるかもしれません。しかし、それだけではありません。自身の生活を整理することで、『今、もしものことが起きたら自分や家族が困るのではないか?』という漠然とかかえていた不安が見えるようになります。それを整理することは、生きている今とこれからの生活の安心につながります

終活を始めるなら「今」がいい理由

終活は、元気だからこそ進められるものが少なくありません。

例えば、

  • 部屋の片付け
  • 契約の整理
  • 古い口座の解約
  • 保険の見直し

これらは想像以上に体力が必要です。また頭がクリアなときでないと、思い出せない銀行口座や契約もあるでしょう。

そのため、「終活について調べてみようかな」と思った今日が、終活を始める一番良いタイミングです。

まずは1項目書いてみましょう

最初からすべてを書こうとすると、ペンを手に持てない方も少なくありません。

「1項目でも書いてあると、ご家族の負担は軽減できる。」

このことを意識して、まずは1つでも書き始めることが大切です。

自分が書いてみたい、書きやすそうと思った項目からとりあえず書いてみましょう。

優先順位を意識すると進みやすい

どこから書いても構いません。

ただ、「何から書けばいいか分からない」と迷った場合には、優先順位を意識すると進めやすくなります。

  • 医療の希望
  • 緊急連絡先
  • ペット
  • 葬儀・埋葬

などは、情報がないと作業が増えるだけでなく、ご家族が判断に悩んでしまう項目です。

銀行口座が分からなくても、時間と手間をかければ調べることはできます。

ですが、あなたが万が一の時に延命治療をどこまでしてほしいかという情報がないと、ご家族が全てを判断しなければなりません。「本当にあの時の判断は正しかったのか」と後悔の念を抱き続けてしまうこともあるでしょう。

この優先順位は一概に言えるものではありません。ご家族の状況や生活環境によって、優先して整理すべき項目は異なります。その優先順位を最終的に判断できるのは、他でもないあなただけです。

「自分の場合は何を優先すればいいのだろう」と迷われる方は、専門家に相談しながら進める方法もあります。

関連記事

▶ エンディングノートの記載項目の優先順位について考察(予定)

今すぐエンディングノートを書き始めた方がいい人

エンディングノートは、年齢だけで「まだ早い」「もう遅い」と決まるものではありません。

むしろ、ご自身やご家族の状況によっては、早めに準備を始めた方がよい場合があります。

次のような方は、ぜひ一度エンディングノートの作成をご検討ください。

なお、私はすでにエンディングノートを書き終えて、遺言書まで完成させています。

シングルマザー・シングルファザー

もし、あなたに万が一のことがあったら、お子さんは誰に引き取られるでしょうか。

誰に相談してほしいのか。
学校や習い事はどうしてほしいのか。
お子さんの性格やアレルギー、好き嫌い、持病、普段の生活で気を付けていること。

親であるあなたしか知らない情報は、想像以上にたくさんあります。

また、銀行口座や保険、契約しているサービスなどの情報が分からなければ、お子さんを支える家族も大きな負担を抱えることになります。

エンディングノートは親権者を指定できる書類ではありません。しかし、お子さんへの想いや生活に必要な情報を残すことはできます。

「もし今日、自分に何かあったら。」

その問いに少しでも不安を感じるなら、今すぐ書き始めることをおすすめします。

認知症が心配になってきた方

「最近、物忘れが増えた。」

そう感じ始めたときこそ、エンディングノートを書き始めるタイミングです。

銀行口座や契約、保険、利用しているサービスなどは、一度忘れてしまうと思い出すことが難しくなる場合があります。

また、終活では遺言書や任意後見契約など、意思能力が必要な手続きもあります。

さらに、遺言書や任意後見契約などの法律行為には、「意思能力」が必要です。

意思能力とは、「自身の行った行為がどのような結果をもたらすかを正しく理解・判断できる精神能力のこと」です。認知症になると、その重症度によって意思能力がないと判断される可能性が高くなります。

「まだ大丈夫」と先延ばしにしているうちに認知機能が低下してしまうと、希望どおりに準備を進められなくなる可能性もあります。

元気な今だからこそ残せる情報があります。未来のご自身とご家族のために、早めに整理を始めましょう。

ご家族が遠方に住んでいる方

もしものとき、ご家族がすぐに駆け付けられない場合があります。

そのような状況では、

  • どこの銀行を利用しているのか
  • 保険はどこに加入しているのか
  • 葬儀や埋葬はどうしてほしいのか

こうした情報を一つずつ調べるだけでも、大きな負担になります。

何度も遠方から足を運ばなくても済むよう、必要な情報を整理しておくことは、ご家族への大きな思いやりになります。

持病がある方

病気は、ある日突然大きく変化することがあります。入院や手術によって、自宅に戻るまでの生活が大きく変わることもあります。

そのときになってから、「銀行はどこだったかな。」「保険証券はどこにしまったかな。」と探し始めるのは、大きな負担です。

体調が安定している今のうちに情報を整理しておけば、将来の自分自身も、ご家族も安心できます。

おひとりさま

身近に頼れる家族がいない方や、将来を任せられる人が限られている方こそ、エンディングノートを早めに書くことをおすすめします。

もし突然、入院したり判断能力が低下したり、亡くなられたりしたとき、

  • 誰に連絡してほしいのか
  • 自宅の鍵や貴重品はどうするのか
  • 契約しているサービスは何があるのか
  • ペットは誰に託したいのか
  • 葬儀や納骨はどのようにしてほしいのか

こうした情報を遺さなければ、手続きを進める人は大変な苦労をすることになります。

また、おひとりさまの場合は、エンディングノートだけでは解決できない問題も少なくありません。将来に備えて、遺言書や任意後見契約、死後事務委任契約などが必要になることもあります。

「頼れる人が少ないからこそ、元気な今のうちに準備しておく。」

それがおひとりさまの終活では、とても大切になります。

エンディングノート完成サポートの紹介

一つでも当てはまる項目があった方は、ぜひ一度エンディングノートの作成をご検討ください。

「一人ではなかなか進まない」「途中で止まってしまいそう」という方には、行政書士と理学療法士の専門性を活かし、最短1週間での完成を目指すサポートをご用意しています。ご本人の状況に合わせて、完成まで伴走いたします。

エンディングノートの記載のコツについて詳しく知りたい方へ

よくある質問(FAQ)

Q. エンディングノートに法的効力はありますか?

ありません。法的効力が必要な内容は、遺言書や任意後見契約、死後事務委任契約などを利用します。

Q. 何歳から書けばよいですか?

年齢に決まりはありません。終活を意識したときが始めどきです。42歳の私は書いています。

また、家族構成などその方の状況によって、できるだけ早期に書いた方がいい場合があります。

Q. 一度書いたら書き直せませんか?

何度でも書き直せます。生活環境の変化に合わせて更新しましょう。

当事務所オリジナルエンディングノートについて

市販のエンディングノートは、製本され、一冊にすべての項目がまとめてあります。シンプルで分かりやすいのですが、実際に運用する場面ではそれがデメリットに感じられることがあります。

  • 自分に関係のないページが多いので空白が目立つ
  • 空白が多いので、いつまでも完成していないように感じてしまう
  • 家族にノートを見せて話しておきたいけど、まだ見せたくない内容もある

当事務所では、そのようなお悩みをもとに、実用性と書きやすさを重視したオリジナルエンディングノートを作成しました。

特徴や市販品との違いについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

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▶ オリジナルエンディングノートの特徴(予定)

現在、終活の相談で当事務所を利用された方には無料でお渡ししております
※セミナー受講やお電話、お問い合わせフォームなどの利用のみは除く

まとめ

エンディングノートは、ご家族のためだけでなく、ご自身のこれからの人生をより良くするためのノートでもあります。

すべてを一度に書く必要はありません。
少しずつ情報を整理していくことが、将来の安心につながります。
エンディングノートを書いてみようかなと思った今日が一番の始め時です。

また、書き始めると「これはどう書けばいいのだろう」と迷うことも少なくありません。

当サイトでは、エンディングノートの各項目について、それぞれ詳しく解説しています。
ぜひ関連記事も参考に、ご自身らしいエンディングノート作りを進めてみてください。

「どこから書けばいいか分からない」「一人では進めにくい」という方は、終活相談も承っております。
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